Carpenter’s commitment 大工さんに聞く家づくりコラム

職人(理容師編)

私の通う床屋さんは、全国から理容学校を卒業した若者たちが集まる床屋さんでありまして、ここで修業をして実家に帰る者もいれば、都内でチャレンジしようと考える方もいます。

毎年、数名入社されて各店舗に配属されますが、カット出来ない下積みからおおよそ7年くらいで卒業される方が多いです。

20年以上通っているので担当者もかえてきましたが、私の場合担当している理容師のヘルプをしている見習いを指名して担当してもらう事が多いです。

なぜなら、私も修業時代にはお施主様に育てていただいた経験があるからです。

お施主様からしてみれば、大事なお宅を施すのは熟練の職人に施工して欲しいというのは当然だと思います。

そこを敢えて、ステップアップの機会を与えてくれたお施主さんがいたから今の私があるのです。

当然、ご期待に応えるために、前日から道具の手入れとイメージトレーニングをして、

本番には、全神経を集中してミスもなく完成させた時の喜びと、お施主さんに褒めていただいた事は今でも忘れません。

現在、私を担当していただいている「髪ing入間店」のSくんは山梨県出身の25歳。

娘と同じ年と野球部出身と言う事もあり、気の合うパートナーであるのですが、柔道部だった私なのに、どういう訳か野球をやっている人と気が合うのです。

まぁ、野球部の過酷な練習に耐えてきた人なので、根性とストイックさがあるからではないでしょうか。

彼は、理容師の技術大会で東京都のチャンピオンになりましたので、10月に行われる全国大会に向けて練習を重ねています。

今は、週休二日制で夜間練習禁止の労働環境なので、十分な練習時間は取れなくなりましたが、彼ならやってくれるでしょう。

そんな彼の背中を追い求めて後輩たちが更に奮起していただきたいものです。