Carpenter’s commitment 大工さんに聞く家づくりコラム

品質とmade in Japan

27歳の時に初めて買った高級時計、グランドセイコーSBGF021

同級生がロレックスやオメガなどの時計を買いだした時期に、私はあえて日本製の時計を選んだ。

大工の修行を終えて、結婚して子供もできた当時の私にとって2万円以上の時計なんて夢のまた夢であった。

それでも男の見栄を張る本能としては、やはり高価な時計のひとつも持っていないと、同窓会やらの時に惨めな気がしてならなかった。

所沢の丸井の時計売り場で説明を受けたのがこの時計。

グランドセイコーは、職人が一つひとつ手づくりで生産していると言う点で、当時大工職人としての私にとって、出会うべくして出会った物である。

しかし、お値段が15万円と消費税(確か消費税は5%だった)と即断できる金額ではなかった。

他の売り場もちらちら見ながらも、グランドセイコーから頭が離れない状況だったのを記憶している。

迷っている私に「買っちゃえば」の女房の一言で、私の相棒となった瞬間である。

なぜ、こんな記事を書くかと言うと、現在工務店として注文建築の受注を受けている私にとってお客様の気持ちになれるからである。

家と言う高価な買い物をする時の不安と期待、託される気持ちは、相当の決断が必要になってくると思う。

任せていただいたほうは、プランニングからお引渡しまで、全身全霊で取り組む。

お引渡し後も、家守りとしてお客様のパートナーであり続ける責任と幸せも同時に味わえる。

輸入住宅やローコスト住宅、工場出荷のハウスメーカー等など、いろいろな建築屋さんがあるが私はmade in japanの手づくり工務店を誇りに思っている。

他のグランドセイコーもセイコーアストロンも複数所有出来るようになったけど、17年経った今でも始めて買ったグランドセイコーは、飽きの来ない、腕に付けていてもストレスのない丁度良い重さでもあり、愛してやまない時計である。

タクミカルは、更にものづくりに情熱をかける工務店であり続けたい。